私の好きなもちつき処遇
※処遇=少年を指導すること。 ※もちつき=正月恒例行事。杵でつくウサギと横からこねるウサギがいる。 処遇にはいろいろな方法があります。 で、よく考えたら私はメロンパンについて語るばかりで仕事のメインである「処遇」について、 * * 簡単です。 「打つ」人と、「こねる」人がいればいいのです。 私はもちろん「こねる」方が好みですが、担任少年に限り、積極的に「打って」いきます。 どういうことかというと… 「何をバカなことやってるんだ!」 「それでも一級生か!」 …これが「打つ」人です。 少年は、元々がバカなことやってきた奴ですから、当然少年院でもバカをやります。叱るネタなんていくらでも出てきます。そこはきっちり叱ってやらないといけません。 「なるほど、お前なりにがんばってるんだな」 フォローが必要です。「打った」後に合いの手を入れるのです。つまり少年=もちを「こねる」人です。 叱った人がそれをやろうとしても、少年は混乱します。だって、さっきまで怒ってた先生です。 そこで、役割を決めるわけです。 ほら、お父さんが叱ったらお母さんが優しくする、アレです。 理想の組み合わせとしましては、 * * (打)「日直だろう!何をやっておったんだ!」(と廊下に連れ出す) (少年)「だ、だってあれは◇◇君が…」(ドキドキ) (打)「◇◇のことはわかっていたはずだ。それでもお前はできると言った。 (少年)「や…やっぱり僕には日直は無理です」(がーんおこられた) (打)「それがお前の答えか!もう知らん!!」(ドアをバタン) (少年)「えーん」(泣) さあ泣いてしまいました。役者交代です。 (こ)「おー 何を泣いとるんだお前は」(とおりすがり風に) (少年)「えーん 俺はちゃんとがんばってんのに、○○先生はひどい」(しくしく) (こ)「ぜんぜん悪くないのに怒られたのか?」(よくわかってない人) (少年)「悪くない…ことはないんです、確かに◇◇君に悪いと思うし…」 (こ)「そうか。なら謝ったのか?」(まだわかってない人) (少年)「謝ってないです…(謝るべきだったのか…) (こ)「○○先生が?! (少年)「日直は無理ですって言った…」(本気で?それって俺のこと本気で?) (こ)「そ、そんなこと言ったのか?だってお前を日直に推したのって…」(一緒に考える) (少年)「○○先生? (こ)「どうすんだよ お前」(背中を押す) (少年)「…謝って、もう一回やらせて下さいって頼んできます!」(ぱたぱた走って行く) 次にやることが決まった彼は、元気に先生のもとへ。 (少年)「先生、さっきはごめんなさい!」(がんばれ俺) (打)「…なんだ」(無愛想だけど内心わくわく) (少年)「考えてみたんですけど、やっぱりあれは僕の責任です。 (打)「それで?」(わくわくわく) (少年)「日直、途中で投げ出すのは無責任です。 (打)「お…お前!よくそこまで自分で考えたな!」(感涙) (少年)「先生ー!」(ひしっ) * * はっはっは。なんだこれ。ベタベタだ。でも作るの面白かったです。 ミソは、私が見当違いのことを喋ってる間に、少年は自分で答えに辿り着いた(と思ってる)ところであります。 どうですか「もちつき」処遇法。 |