IN少年院!  ふつうの日勤日 ←INDEX

 6:50 起床。

            めざましは2つ設置している。遅刻厳禁。

 7:00 朝飯。

            すげえ早食い。

 7:30 なごりおしんで自宅を出る。

            食後の一服を途中で消すのが、いつももったいない。
            とはいえフレックスタイムには遥かかなたに遠いこの仕事、
            毎日決まった時間の電車に乗る。

 8:00 きたない庁舎に毎回おどろきながら出社。

            さすがに歴史ある仕事。建物も歴史あるものが多い。
            かつて荒れていたのであろう痕跡もところどころに残っており、
            今の(一応)平和さに感謝したい。
            だがそれはそれとして、やっぱきたない。

 8:40 てきとうに職員朝礼。

            幹部職員・庶務課職員・教育課職員みんなそろったところで、簡単な引き継ぎ。
            少年の数、体調を崩してるやつ、精神を崩してるやつの様子など。
            とはいえ前日寮にいた者ならほとんどわかっている話である。
            たまに所長なんかがどうでもいい話をする。

 8:50 自分の担当寮に行って引き継ぎ。

            現場ではこれが第一の情報。
            上の報告では上がってこない情報(幹部に知られたらマズイこと)は
            ここでこっそり引き継がれる。
            たとえば少年が規則違反ギリギリのことをしたとき、
            担当寮職員がかばうこともある。

 9:00 少年朝礼。

            少年の行動は、すべてこちらの号令によって行う。
            たとえば寮からグランドへの移動も、ピシピシ行進させていく。

 9:30 少年の午前の授業開始。

            資格取得のための実習・訓練などである。2つ3つ資格を取って帰っていく少年も多い。
            要は、学歴がなくても働ける現場の知識・技術。

11:30 授業終了。

            片付けたあと、一列に並べて少年の持ち物検査をする。
            特に危険物を使った場合には、数を数えた上に、みっちり行う。
            ひょっとしたらズボンの股のところに金属板でも隠しているかもしれないからだ。
            搭乗口に置いてある、アレがほしい。

12:00 職員のひるやすみ。

            少年の寮にも職員一人が残り、保安にあたっている。
            今日は1時間休憩だ。
            それを見越して、妻から持たされたカレーをレンジであっためて食ってるやつがいる。
            当然の権利としてからかうが、実はうらやましい。
            横目でみながら、朝買ってきたほか弁をかっこむ。

13:00 少年の午後の授業開始。

            体育。意外と楽しく行う。
            定期的に大会なんぞを行い、単調な少年院生活に刺激を与える。
            それは少年にとっても。職員にとっても。
            やっぱり自分のとこの寮の子供に勝たせてやりたいし。

16:00 授業終了。

            おつかれさま。

16:30 少年に夕飯を食わせる。
      また私より余程いいものを食べている。

            ごはんに味噌汁に肉じゃがにひじきの煮物。あ、今日はりんごもつくんだ。豪華だなあ。

17:30 さよなら少年たち。

            あとのことは夜勤職員に任せたぜ。
            そう言って日勤の職員は名目上は17時で少年寮から去る。
            なのでこっからはその日の事務仕事。
            おかしいよなあ。
            成績つけとか、あたりまえの事務仕事を全部サービス残業としてやるんだぜ。

18:00 終わり次第、退社。

            帰るのがあたりまえなのに、どこか後ろめたいのはなぜだろう。

18:30 飲みにいくぞ。

            同じ施設の同輩と。先輩後輩と。もしくは近くの研修同期と。
            話題はいつも少年の話だ。

23:00 倒れこむようにして就寝。

            おやすみなさい。

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