法務教官の彼氏彼女をお持ちのみなさまへ


 いいなあ。

 じゃなかった、どうもウチの物件をお求めいただきありがとうございました。

 法務教官なんか志すやつらは、少なくとも一度は「人のために生きよう!」と決めた、なかなか気持ちのいいやつらです。なおかつ、クビの心配はなく、稼ぎもなかなかという、お得な物件でもあります。この点は自信を持っておすすめできます。

 しかし以下の項目にあてはまる場合は注意が必要です。

 @話の中に毎回、施設の話・少年の話題が混ざる
             →バリバリ法務教官である可能性大

 A逆に、職場のことを一言も話そうとしない
             →もしかすると、ダメダメ法務教官かもしれない

 このような場合は、あなたの愛で矯正してやってください。

 反対に、以下にあてはまってもまったく注意はいりません。

 @連絡がとれない日がある
              →夜勤でしょう

 A帰りがいつも遅い
              →サービス残業と思われます

 B女の人(男の人)から年賀状が届いた
              →内容に問題なければ、ただの同期です

 C休みの日なのに約束をドタキャンされる
              →施設から呼び出しをくらったのでしょう

 Dぼーっとしてる
              →睡眠不足かと思われます

 E部屋が汚い
              →片付ける気力もないと思われます

 Fやたら機嫌が悪い。めんどくさがりで出不精だ。
              →非番かと思われます。寝たら治ります

 Gテンションのおかしい電話をかけてきた
              →これも非番だと思われます。切ってもいいです

 Hいきなり踊りだした
              →やっぱり非番のせいでしょう

 Hしっかり寝たはずなのにそれでも踊ってる
              →踊りではなく天突き体操というトレーニングです

 Iそれにたまに変な歌をハミングしている
              →院歌かラジオ体操のテーマかもしれません

 しかし一つ問題があります。

 それは、「研修」というものです。

 1年目の「基礎科研修」、5年目の「応用科研修」、バリバリ法務教官の必須科目の「高等科研修」、まあいろいろありますが、その実態は、お泊まり合コン強化月間。
 法務教官・刑務官の妙齢の女性男性がわさわさいるところに、あなたの彼氏彼女を放り込むことになります。
 拘禁反応(閉じ込められていっしょに暮らすうち、一時的に愛が芽生える)による、三角関係、不倫、まさになんでも芽生えてしまう、おそろしい場所です。
 あまり羽目を外さないよう、「週末は帰って来い」と、「10時の点呼のあとにメール」などの約束を取り付け、チェックしていくことが大切となります。
 ただし、一応みんな頭はいいですから、本気にならない限り一線は越えないので、そこんとこは大丈夫かと思われます。

 さて。

 いろいろなハードルをクリアした上で、もし結婚を考えるという場合には、どこにどう住むかが大問題となってきます。

 特にバリバリ法務教官の場合、高等科研修をうけてしまった場合、転勤が全国規模になってしまいます。いつか単身赴任となることも覚悟しなければなりません。

 大規模施設の官舎に入る場合も要注意です。隣が、上司の奥さんかもしれません。上下関係、刑務官に比べれば、法務教官は甘いかもしれませんが、そういうのが一切嫌だという方は、アパート住まいをするべきでしょう。
 ただ、官舎周辺は治安は最高です。
 有事の際には、笛のひとつも吹けば、どこからともなく軍勢が現れて、すべて叩き潰してくれることでしょう。
 だから普段は、まちがっても笛を吹いてはいけません。ピーとなるもの、そう、やかんや目覚まし時計の音にも気を配ってください。軍勢が間違って現れます。

 さらに、健康には人一倍気をつけてやってください。

 理由その一、風邪ひいてへろへろでも、休めません。
 特に教育部門の人で、ある程度の中堅であれば、どんなに高熱でも注射うって夜勤に出て行こうとするでしょう。どうにもならないときもあるのです。

 理由その二、ストレスや過労で倒れる危険があります。
 その証拠に、うちの共済(法務教官・刑務間の入る保険)は万年黒字です。働くだけ働いて、パタッといく、つまり寿命が短いからです。
 特にバリバリ法務教官とお付き合いの方は、本人が喜んで過労をするので、適当なところでストップをかけてあげてください。
 なおこの要因は、へっぽこ法務教官に更生(?)させることによって大幅に改善されます。

 以上の点にご注意いただき、末永く仲良くしてやってください。 


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